2026年1月5日 不動産売却
この記事では、住宅ローンが残っている状態で自宅を手放すことを検討している人、あるいは売却後も同じ家に住み続けたいと考えている人向けに書かれています。
ローン残債や抵当権、売却方法の違い、特にリースバックという選択肢の仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく整理します。
実務的なチェックリストや事例、税金や費用の注意点までカバーし、最終的にどのようなアクションを取ればよいかを具体的に示します。
周囲に知られないように秘密で早く売却したい場合の注意点についても触れます。
住宅ローンが残っている場合、まず最初にやるべきことは現在の残債額と完済見込みを正確に把握することです。
金融機関からの残高証明書やローン契約書を確認し、繰上返済手数料や違約金の有無も含めて実際に必要となる金額を算出してください。
売却価格が残債を上回れば通常売却で完済可能ですが、下回る場合は差額をどう補うかを早めに検討する必要があります。
将来の収支計画と照らし合わせ、完済の見込みがあるかどうかを判断してください。
抵当権が設定されていると所有権移転や売却代金の受領に際して金融機関の手続きが発生します。
抵当権抹消には完済が必要であり、売買代金の一部を弁済に充てる旨の合意や抵当権設定者(銀行・金融機関など)との調整が求められます。
所有者が複数いる場合や名義変更が必要な場合は、関係者全員の同意と書類整備が不可欠です。
売却前に法務局で登記簿を確認し、抵当権や差押えの有無を把握しておくと手続きがスムーズになります。
売却予定価格が市場相場に見合っているかを調べ、残債と比較してオーバーローン(売却代金では残債を完済できない状態)にならないかを確認します。
周辺の成約事例や査定を複数社で比較し、想定価格帯を把握することが重要です。
オーバーローンの可能性が高い場合は、任意売却やリースバック、追加融資や自己資金の投入といった対策を検討する必要があります。
早めの情報収集が負担軽減につながります。
リースバックとは、自宅を買い取ってもらい売却代金を受け取りつつ、そのまま買い手と賃貸借契約を結んで住み続ける仕組みです。
売却と同時に賃貸借契約が結ばれるため、引越しをせずに資金化できる点が特徴です。
契約形態は一般賃貸借や定期借家契約などがあり、契約期間や更新条件、家賃設定は事業者と個別交渉になります。
金融機関のローン完済と同時に住み続ける選択を残したい人に向いています。
リースバックの主なメリットは、売却によってまとまった現金を得ながら引越し不要で生活基盤を維持できる点です。
得た資金は住宅ローンの完済、教育資金、医療費、事業資金、リフォーム費用など多様な使途にあてられます。
債務整理や生活再建の選択肢としても有効で、引越し費用や新居探しの負担を避けたい高齢者や事情のある家庭に適しています。
資金と居住の両立が可能になる点が評価されます。
リースバックは物件種別によって取り扱いが異なることが多く、マンションは管理規約や管理組合の許可が関係する場合がある点に注意が必要です。
一戸建ては再販や賃貸提供の自由度が高い反面、利便性や築年数によって評価が下がることがあります。
立地や築年数、内部状態、周辺相場が売却価格と賃料の決定に直結するため、事前に査定と条件交渉を行い、事業者の取り扱い実績を確認することをおすすめします。
リースバックは、現金を得ながら引越し不要というメリットだけでなく、デメリットもあります。リースバック後は家賃が発生し、固定費としての負担が長期的に続く点がデメリットとなります。
売却で得る資金が一時的な救済になる反面、将来的に家賃負担が上昇するリスクや、将来、収入減が起きた場合に賃料の支払いが難しくなるリスクがあります。
契約期間終了時の再契約条件や更新料の有無も重要で、固定資産税や管理費の負担分の扱いも事前に確認しておく必要があります。
長期的な生活設計で負担が許容できるか見極めてください。
契約によっては買い戻し権がない、もしくは高額な条件でしか買い戻せないケースがあります。
再契約が事実上できない、または賃料の増額や契約解除の条件が厳しいといったトラブル事例も報告されています。
事業者の破綻や所有者変更による条件変更、修繕費負担の誤解などもトラブルにつながるため、契約条項の細部まで確認し、想定されるケースごとに対応策を用意しておくことが重要です。
後悔を避けるためには、契約書の家賃設定、契約期間、更新条件、修繕負担、買戻しの有無と価格算定方法、退去条件、入居者保険の扱いなどを明確にすることが不可欠です。
口頭での説明だけで進めず、書面での明記を求め、わからない点は専門家に相談しましょう。
必要に応じて弁護士や消費生活センターに相談することで、後々のトラブルを未然に防げる可能性が高まります。
通常売却では不動産会社による査定から始まり、媒介契約、買主との売買契約締結、決済・引渡しの流れで完了します。
売却代金でローンを完済し、抵当権抹消登記を行い、所有権移転の手続きを進めます。
仲介手数料や登記費用、引越し費用などの諸費用も見積もりに入れておく必要があります。
売却期間中の住み替え計画と収支バランスを同時に検討してください。
滞納がある場合、任意売却は金融機関と交渉して市場で売却し、競売よりも高値で売却できる可能性を残す手法です。
競売は裁判所主導で売却価格が市場より低くなる傾向があり、債務者の選択肢が限定されます。
任意売却では債権者との合意形成が鍵であり、弁護士や専門業者のサポートを得ることでまとまることが多いです。
早めに相談することで最悪の結果を避けられます。
オーバーローンの場合、自己資金の投入、親族からの借入、リースバックで一部資金化して交渉、債権者との分割返済合意、任意売却での交渉などが考えられます。
各選択肢は税務面や将来の生活設計に影響するため、複数シナリオを比較して最適な対応を選ぶことが大切です。
専門家に相談して手続きや費用を明確に把握しましょう。
住宅を担保に年金のように受け取るリバースモーゲージや、部分売却、一部を賃貸化するなどの資産活用も検討の余地があります。
リバースモーゲージは高齢者向けに設計されており、所有権や生活資金の確保に役立ちますが、契約条件や相続時の影響を慎重に確認する必要があります。
選択肢ごとの長所短所を比較し、ライフプランに合致するかを確認してください。
持ち家を売って賃貸に住むメリットには、引越し先での生活環境の選び直しやメンテナンス負担の軽減、資金化による自由度の向上があります。
デメリットは、長期的には家賃負担が続くことや、新たな住居での契約制限、将来の住環境安定性が下がることです。
家族構成や年齢、収入見込みを踏まえて、どちらが総合的に有利かを判断することが必要です。
賃貸に転じた場合、毎月の家賃、共益費、更新料、敷金・礼金などの初期費用が発生します。
修繕負担の範囲は契約で異なり、小修繕は入居者負担、大規模修繕は貸主負担とする例が一般的ですが、特約がある場合は要注意です。
契約期間や解約予告期間、再契約条件を確認し、将来の賃料上昇リスクや転居コストもあらかじめ計算しておくことが重要です。
| 項目 | 一般的な賃貸 | リースバック |
|---|---|---|
| 物件の所有者 | 第三者(貸主) | 売却先の事業者 |
| 入居時の手続き | 入居審査や初期費用が必要 | 売買契約と賃貸契約が同時に発生 |
| 住み続ける利便性 | 新居探しが必要 | 引越し不要で同じ住環境が維持される |
| 資金化の有無 | 基本的に資金化はできない | 売却でまとまった資金が得られる |
売却に伴い発生する主な税金や費用としては、固定資産税の精算、譲渡所得税、仲介手数料、登記費用、抵当権抹消費用、引越し費用などがあります。
固定資産税は日割り精算が行われることが多く、譲渡所得税は所有期間や特別控除の適用有無で金額が変わります。
売却前に税務の専門家に相談し、いつどの費用が発生するかを明確にしておくことで予想外の出費を避けられます。
売却代金でローンを完済する場合、決済時に金融機関が残債を回収し、抹消手続きが行われます。
抹消には法務局での手続きが必要であり、抵当権抹消に必要な書類を準備しておくとスムーズです。
リースバックや任意売却では、事前に金融機関との合意が求められることが多く、審査や承諾プロセスに時間がかかる場合があります。
事前にスケジュールを確認して余裕を持った手配を行ってください。
売買契約書では特約条項の内容に注意し、引渡条件、決済方法、瑕疵担保責任、家財の処理、契約解除条件などを明確にしておきます。
所有権移転登記のタイミングとその費用負担、抵当権抹消の方法も契約書に明記しておくとトラブルを防げます。
リースバックの場合は賃貸条件や修繕負担、退去時の原状回復範囲についても詳細に取り決めてください。
残債が少なく査定価格で完済できたケースでは、通常売却でローンを完済し、その後に希望に応じて賃貸へ移る選択が取りやすくなります。
注意点としては売却代金から諸費用を差し引いた後の手残りを正確に見積もり、引越し費用や次の住居の初期費用を確保しておくことです。
また税金面の確認や譲渡所得が発生する場合の控除適用も忘れずに確認してください。
残債が大きい場合は任意売却で金融機関と交渉し、売却代金で完済できない部分について分割返済や減額合意を得た事例があります。
専門家が間に入ることで交渉が円滑になり、競売を回避してより高値で売却できた例も報告されています。
重要なのは早期に相談窓口を利用して選択肢を広げることと、交渉の記録を残して合意内容を明確にすることです。
相続や離婚が絡むケースでは所有権や売却益の分配、相続税や贈与税の問題が複雑になります。
共同名義の場合は全員の同意が必要であり、相続発生時は遺産分割協議書や相続登記が求められます。
離婚時の財産分与に関しても弁護士や税理士と連携して最適な手続きを選ぶことが重要です。
事前に関係者での合意形成と専門家相談を行ってください。
地域の相場は売却価格と賃料設定に直結します。
都市部と地方では需要と供給のバランスが異なり、同じ築年の物件でも評価が大きく変わります。
売却を急ぐ場合は相場の下限を受け入れる必要が出ることもあるため、エリア別の成約事例を複数年分確認し、季節要因や再販のしやすさも加味して価格戦略を立てることが重要です。
売却判断の最終段階では、最初に確認した「残債の状況」「抵当権・所有権の手続き」「市場相場とオーバーローンの可能性」を再確認してください。
これら3つのポイントが整合していれば通常売却が現実的であり、ズレがある場合は任意売却やリースバックなど代替手段の検討が必要です。
早めにシミュレーションを行い、必要な書類や資金計画を整備してから動きましょう。
不動産会社を選ぶ際は、地元の実績、リースバックや任意売却の取り扱い経験、契約内容の透明性、免許番号の確認を行ってください。リースバックも検討したい場合は、リースバックのメリットだけでなく、デメリットや契約条件などについて分かりやすく説明してくれる不動産会社を選ぶ必要があります。
秘密で早く売却したい場合は、地元の不動産会社に相談することをおすすめします。
なお、一括査定は多くの業者が自宅を訪問する仕組みのため、秘密での売却を希望する場合には向かないことがある点にも注意が必要です。
まずは無料査定や個別相談を利用して複数社の意見を比較しましょう。
査定結果だけでなく、提示される売却シミュレーションや契約条件、サポート体制を確認して業者を絞り込んでください。
秘密での売却を希望する場合は、訪問査定の有無や訪問時の対応方法について事前に相談しておくことが重要です。
最終的には書面で条件を確認してから契約に進んでください。
住宅ローンが残っていても売却は可能ですが、残債・抵当権・市場相場の3点を最初に確認することが不可欠です。
リースバックは資金化と居住継続を両立できる一方、継続的な家賃負担や契約条件に注意が必要です。
任意売却やリバースモーゲージなど代替手段も含めて複数の選択肢を比較し、契約書の細部を専門家と確認したうえで意思決定してください。
周囲に秘密で早く売却したい場合は、地元の不動産会社に相談するのを勧めます。
鳥取の不動産について、売却を検討される場合は、有限会社不動鳥取にご相談下さい。
※リースバック以外にも、買取や仲介による売却もあります。
リースバックと、他の不動産の売却方法との違いを知りたい場合は、こちらの記事「不動産売却の基礎知識 ~不動産の販売方法・費用・税金・高く売るノウハウ FAQ~」がおすすめです。
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