2026年1月9日 不動産活用
この記事は、鳥取県内で賃貸収入や不動産経営をはじめて行い、確定申告をこれから行う個人オーナーや副業として家賃収入を得ている方、マンションオーナーを対象に作成した入門ガイドです。
申告に必要な書類、収支の計算方法、申告の手順、鳥取特有の注意点や節税のポイントをわかりやすく整理しています。
専門用語には注釈を付け、具体的な流れを初心者向けに丁寧に解説しますので、初めての方でも読み進めやすくなっています。
この記事は、あくまでも不動産会社が不動産の専門家として一般的な内容について書いています。個別具体的な税金に関する相談は、税理士にして下さい。
ここでは、どのような人が確定申告を行う必要があるかを具体的に説明します。
まず、個人オーナーとは一棟や一室を所有し家賃収入を得ている個人を指しますが、給与所得と合わせた所得合計により確定申告が必要になる場合があります。
副業で賃貸収入を得ている人は、年間の賃料収入や経費を集計して不動産所得として申告する必要があり、専業と異なり給与の源泉徴収票との合算が必要です。
マンション経営者(区分所有を含む)は入居状況や共益費の処理、管理委託費の経費計上など複数の科目管理が必要になる点で注意が必要です。
この記事を読むと、確定申告に必要な書類の一覧、収入と経費の区分け、減価償却の考え方、申告方式の選び方(青色申告・白色申告)、e-Taxや窓口提出の手順などが理解できます。
全体の流れは、
という流れです。
専門用語の補足や、鳥取市・鳥取県特有の提出先や窓口情報、相談窓口の活用方法についても触れていきます。
鳥取は地方都市特有の空室リスクや賃料水準の差があるため、収支計画を保守的に立てる必要があります。
一方で地方の中古物件を低額で取得してリノベーション運営することで利回りを高めやすいというメリットもあります。
固定資産税や都市計画税の評価方法、地域の人口動態や大学・観光資源による需要の季節変動などを把握すると、賃貸戦略や申告上の見積りが安定します。
不動産所得とは、家賃収入や共益費、礼金などの収入から、その物件を維持するために要した必要経費を差し引いた金額のことです(所得税法上の分類)。
収入には家賃や更新料、共益費、駐車場収入などが含まれ、必要経費には固定資産税、管理費、修繕費、減価償却費、仲介手数料、ローンの利息部分(元本は経費になりません)などが該当します。
※必要経費とは、収入を得るために直接かかった費用をいい、私的な支出は経費にできません。
建物は使用年数に応じて取得価額を数年に分けて経費計上する『減価償却』の対象です。
一方、土地は減価償却の対象になりませんので、土地分は経費として計上できない点に注意が必要です。
減価償却(専門用語):固定資産の取得価額を耐用年数にわたって費用配分する会計処理を指します。
実務では、取得価額の按分、耐用年数の選定(法定耐用年数)や償却方法を正しく設定することで課税所得が変わります。
青色申告は一定の帳簿を備え正しく記帳することで65万円(簡易簿記の場合は10万円)の青色申告特別控除が受けられる制度です。
白色申告は簡易で手続きが少ない一方、控除額が少なく、税務上有利になりにくいため不動産所得者は青色申告の申請を検討する価値があります。
※帳簿記載:仕訳帳や総勘定元帳、現金出納帳等に取引を記録することで、税務調査時の証拠書類として重要です。
確定申告には、確定申告書B(不動産所得欄)または青色申告決算書、収支内訳書(白色の場合)、源泉徴収票(給与がある場合)、賃貸契約書や家賃の振込明細、領収書などの証拠書類が必要です。
本人確認書類としてマイナンバーカードやマイナンバー通知カード+運転免許証等が必要になる場合がありますので、事前に準備してください。
書類は税務署に持参・郵送・e-Taxで提出する際に必要です。
不動産を取得した場合は、不動産取得申告書(取得の日から60日以内提出)、登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産評価証明書などを手元に揃えておくと、取得時の費用や取得価額の証明に役立ちます。
登記事項証明書は法務局で取得し、評価証明書は市町村役場で取得します。
鳥取市内の手続き窓口や必要書類は各自治体サイトで確認してください。
売却がある場合は、売買契約書、譲渡所得を計算するための取得費明細(売買契約書、仲介手数料領収書、リフォーム費用等)、譲渡所得の特例を受ける場合の添付書類が必要になります。
買い換え特例や居住用財産の3,000万円特別控除を使う場合は、住民票や家屋の登記簿、特例要件を証明する書類が要求されます。
還付がある場合は振込先の銀行口座情報が必要になりますので通帳やキャッシュカードを準備してください。
e-Tax利用時はマイナンバーカードがあると便利で、カードがない場合はID・パスワード方式の届出が必要になることもあります。
マイナンバーは確定申告書に記載が必要なため、事前に番号や本人確認書類を揃えておくと申告がスムーズです。
経費にできる代表項目としては、固定資産税、都市計画税、管理委託費、修繕費、清掃費、保険料、仲介手数料、通信費、光熱費(共用部分)などがあります。
それぞれ領収書や請求書で証拠を残し、発生した年度に対応する経費として帳簿に正しく記載することが重要です。
なお、住宅ローンの元本返済は経費になりませんが、利息部分は経費に計上できますので、金融機関の利息明細を保存してください。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、居住用の住宅を購入し一定要件を満たす場合に所得税から控除を受けられる制度です。
賃貸用不動産に関してはこの控除は基本的に適用されませんので、居住用と賃貸用の区分を明確にして申告してください。
医療費控除など不動産所得以外の控除を受ける場合は、全所得に対する控除計算になるため、給与や年金と合わせた全体の税額最適化を検討しましょう。
不動産取得税は不動産を取得した際にかかる地方税で、取得価額に基づき税額が決まります。
一定の条件で軽減措置や免税措置があるため、取得時に市町村の窓口や県の案内を確認して適用できる特例を活用すると税負担を軽減できます。
ただし取得税は確定申告と別の手続き(自治体へ提出)になるため、申告とは別に期限や提出先を確認してください。
マネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計ソフトは銀行口座やクレジットカードと連携して入出金を自動取り込みでき、帳簿付けや経費仕分けが効率化できます。
これらを使うと青色申告に必要な帳簿の作成や減価償却の計算、確定申告書の作成が簡便になり、入力ミスや計算ミスを減らせます。
ただし初期設定や勘定科目の割当は正確に行う必要があり、疑問点がある場合は税理士やサポート窓口に相談してください。
e-Taxはインターネットを通じて申告書を提出できるシステムで、マイナンバーカードを使った本人確認やID・パスワード方式でのログインが可能です。
スマホからは専用アプリやブラウザで申告書を作成・添付書類の画像をアップロードして提出できますので、窓口に行けない場合や還付を早めたい場合に便利です。
e-Taxを使うと申告後の受付確認や処理状況の確認もオンラインで行えます。
税務署窓口に申告書を持参する場合は、確定申告期間中は混雑するため事前に税務署のウェブサイトで受付時間や予約制度の有無を確認しておくと安心です。
窓口提出では職員による簡易なチェックや相談が受けられる場合もありますが、詳細な税務相談は税理士に依頼するのが確実です。
鳥取の各税務署ごとに開庁時間や相談会の開催日が異なるため、事前確認をおすすめします。
鳥取税務署の開庁を知りたい場合は、こちらを確認して下さい。
郵送で提出する場合は、提出期限当日の消印が有効ですので余裕を持って発送してください。
送付先は管轄税務署の住所を確認し、必要書類のコピーや自分用の控えを必ず保管してください。
また、税務署には問い合わせ用の受付ダイヤルがあり、事前に電話で案内を受けると書類不備を減らせます。
手書きで確定申告書を作成する場合は、まず青色申告か白色申告かを確認し、収入金額や必要経費を整理した帳簿の内容を転記します。
記入時は金額の単位や通貨、端数処理に注意し、添付書類(領収書や源泉徴収票)の写しを添えることを忘れないでください。
記入例を示した国税庁の記載例を参照すると初心者でも正確に書きやすくなります。
国税庁の『申告書等作成コーナー』はWeb上で申告書を作成できる公式ツールで、案内に従って入力すれば書類の作成が可能です。
また、税務署や市町村で実施される無料相談会やガイダンスを活用すると、実務的なポイントや書類の整理方法を学べます。
地方の無料相談は予約制の場合があるため、事前に連絡して席を確保してください。
鳥取県内の主要税務署には鳥取税務署、米子税務署、倉吉出張所などがあり、それぞれの所在地や受付時間は国税庁のサイトや各税務署の案内ページで確認できます。
受付時間は概ね平日の午前9時から午後5時までですが、確定申告期間中は延長営業や土曜日の相談会が開かれることもありますので、最新情報を事前に確認してください。
税務署に電話で問い合わせる際は、納税者番号(もしあれば)、対象年度、該当する収入の種類(家賃収入等)や具体的な疑問点を整理しておくとスムーズに案内を受けられます。
例えば『令和○年分の不動産所得の計算方法について教えてください』というように要点を絞って質問すると、適切な部署や担当者に案内してもらいやすくなります。
多くの税務署はオンライン予約システムを導入しており、ウェブサイトから相談日時を予約できます。
予約時には相談内容を選択できる場合があり、事前に書類をアップロードあるいは持参するよう指示されることがありますので、指示に従って準備してください。
申告期限間近は混雑が激しく、窓口での待ち時間が長くなる傾向がありますのでできるだけ早めに申告を済ませるか、e-Taxを利用することで混雑を避けられます。
また、平日の午前中や確定申告開始直後の週に訪れると比較的空いていることが多いです。
不動産取得税は不動産を取得した際に一度だけかかる地方税で、取得時期に応じて課税されます。
税額は取得価額に税率を掛けて計算され、土地と建物それぞれに課税されることが多く、評価方法や控除が適用される場合があります。
確定申告(所得税)とは別の手続きであるため、取得後に自治体から送付される案内や請求書を確認して期限内に納付または軽減措置の申請を行ってください。
一定の要件を満たす新築住宅や一定面積以下の住宅については取得税の軽減措置が適用される場合があります。
軽減措置を受けるためには、申請書類の提出や証明書の添付が必要ですので、取得後速やかに市町村の税務担当課に問い合わせて手続きを進めてください。
取得申告書は不動産取得の日から60日以内に提出する必要があり、提出先は原則として不動産の所在地を管轄する市町村を経由して県に提出されます。
登記済みの場合は提出不要なケースもあるため、登記状況を確認した上で市町村の案内に従ってください。
不動産取得に伴い固定資産税や都市計画税の評価替えが行われることがあり、翌年度以降の固定資産税負担が変動する場合があります。
また、取得時の諸費用(登録免許税・印紙税・仲介手数料等)が取得費に含まれるかどうかで将来の譲渡時の取得費が変わるため、領収書等を保存しておくことが重要です。
居住用財産を売却した場合、居住用財産の3,000万円特別控除という特例があり、一定要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を差し引けます。
適用には住民票や、所有期間・居住期間の証明が必要で、申告時に添付書類を揃える必要があります。
※譲渡所得(不動産譲渡所得)とは、土地や建物を売却して得た利益に対する課税所得のことを指し、不動産所得(賃貸収入による所得)とは別の所得区分です。
譲渡所得は所有期間により税率が異なり、短期譲渡(所有期間5年以下)は高税率、長期譲渡(5年超)は低税率が適用されます。
具体例として、取得費や譲渡費用を差し引いた課税譲渡所得に対してそれぞれの税率で所得税と住民税が計算されますので、売却タイミングによって納税額が大きく変わります。
売却時には売買契約書、登記事項証明書、取得当時の契約書や領収書、仲介手数料の領収書、譲渡に関する費用の明細などが必要です。
売却が複雑であったり、多額の譲渡所得が見込まれる場合は、事前に税理士へ相談しておくと申告や節税対策の選択肢が広がり安心です。
買換え特例や損失の繰越控除など、売却と買替えを組み合わせた特例制度があるため、適用要件を満たすかどうかを確認してから手続きを進める必要があります。
損失が出た場合の税務処理や翌年以降の繰越控除の適用については要件が厳格ですので、税理士に相談することをおすすめします。
誤った申告や記入漏れに気づいた場合は、訂正申告や更正の請求、修正申告といった手続きを行います。
追徴税が発生した場合は納付方法や延滞税の扱いを確認し、還付がある場合は還付金の手続き期間や振込先の確認を行ってください。
税務署へ電話する際の具体例として『不動産所得の経費としてこの経費は認められますか』『青色申告届出の提出期限はいつですか』『減価償却の耐用年数はどのように決めますか』などがあります。
事前に手元の書類や事案の要点を整理しておくと的確な回答を受けやすくなります。
税務署や市町村が実施する無料相談は基本的な質問に有効ですが、複雑な節税対策や将来的なシミュレーションが必要な場合は有料の税理士相談や申告代行を検討してください。
税理士に依頼すると正確な申告、節税の最適化、税務調査時の対応支援が受けられるメリットがあります。
申告書作成後は、住所・氏名・マイナンバー・振込先口座といった基本情報の記入漏れがないか、収入と経費の合計が一致しているか、添付書類(源泉徴収票、契約書、領収書等)が揃っているかを必ず確認してください。
確認不足による再提出や還付遅延を防ぐため、控えを1部保存する習慣をつけると安心です。
| 項目 | 不動産所得(賃貸) | 不動産譲渡所得(売却) |
|---|---|---|
| 発生原因 | 家賃などの継続的収入 | 土地・建物の売却による一次的な利益 |
| 課税方式 | 総合課税(他の所得と合算) | 分離課税(短期・長期で税率が異なる) |
| 代表的控除 | 必要経費、青色申告特別控除等 | 居住用の3,000万円控除等 |
上表のように、不動産所得(賃貸収入に関する所得)と不動産譲渡所得(売却による利益)は税務上まったく別の区分で扱われます。
賃貸による継続的な収入は不動産所得として計上し、売却益は譲渡所得として別枠で申告が必要です。
どちらに該当するかによって必要書類や税率、適用できる控除が異なるため、売却を伴う場合は譲渡所得の取り扱いを特に注意して確認してください。
| 方法 | 利点 | 注意点 |
|---|---|---|
| e-Tax | 時間や場所を選ばず提出可能、還付が早いことが多い | 事前登録やマイナンバーカードが必要になる場合がある |
| 郵送 | 窓口に行かずに提出できる | 消印日が期限内である必要がある、発送ミスに注意 |
| 窓口 | 職員から直接アドバイスを受けられる | 混雑することがあり事前予約が必要な場合あり |
| 手書き | インターネットが苦手でも対応可能 | 記入ミスや計算間違いに注意、手間がかかる |
上の比較表を参考に、自身の状況や利便性に合わせて申告方法を選んでください。
e-Taxは利便性が高く還付が早い一方で、初回登録の手間がかかる点やマイナンバーカードの準備が必要な場合があるため注意が必要です。
はじめての不動産所得の確定申告では、収入と経費の区分整理、必要書類の準備、青色申告の検討、減価償却の扱い、申告方法の選択がキーポイントです。
鳥取特有の取得税手続きや税務署の窓口利用ルールも確認し、必要に応じて税理士へ相談することで安心して申告が行えます。
最後に、この記事は、あくまでも不動産会社が不動産の専門家として一般的な内容について書いています。
個別具体的な税金に関する相談は、税理士にして下さい。
鳥取にある不動産の管理をどこに任せようか検討中の方は、鳥取駅バスターミナル向かいの有限会社不動鳥取に相談して下さい。
税理士のご紹介も可能です。
マイホームの売却を検討中の方、マイホームを売却した方には、こちらの記事「居住用財産の3000万円特別控除 マイホームを売却したときの特例」がおすすめです。
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